単球(monocyte)増加の鑑別を考えます。 好中球、リンパ球、好酸球の増多・減少に比べ、臨床的に注目されることが少ない単球増多ですが、何らかの疾患を示唆している場合もあります。 まずは、正常範囲ですが、200~950/μLが目安とされます。 単球≧1000/μL…
前回、浮腫のメカニズムや、鑑別の手順について記載しました(浮腫の鑑別)。 今回は、浮腫を起こす疾患の具体例を取り上げたいと思います。 浮腫の代表的な原因である心不全、腎不全、肝硬変、深部静脈血栓症など以外の、比較的稀で、知っておくと鑑別に役…
◆Key Points◆ ・浮腫は全身性か、局所性か・(全身性であれば)低アルブミン血症(Alb<3.0g/dL)があるか・(低アルブミン血症がなければ)心不全かどうか 浮腫は、内科外来を受診する患者さんの訴えとして少なくありません。 利尿薬による対症療法を行うだ…
咽頭痛の原因は感冒、溶連菌感染による咽頭の炎症だけではありません。 killer sore throatといわれる咽後膿瘍、扁桃周囲膿瘍、下顎窩膿瘍の他、甲状腺炎、さらには胃食道逆流、後鼻漏なども咽頭痛の原因となります。 感染性の咽頭炎においても、感冒やA群溶…
診断力を上げる方法を考えます。 診断という行為は、目の前の患者さんが困っている症状の原因を明らかにすることです。 「すでに診断が付いている自分の専門分野以外の患者さんは診ない」という例外的な医師を除いては、どの診療科の医師にもある程度求めら…
なぜ、今、診断学が重要か? 当たり前ですが、適切な治療は適切な診断が前提となります。正しい診断が遅れれば遅れるほど、患者さん側の結果(治療経過、予後)に悪影響を与えます。 診断の見逃し、遅れ、誤りを「診断エラー」といいます。 診断エラーは患者…