単球(monocyte)増加の鑑別を考えます。
好中球、リンパ球、好酸球の増多・減少に比べ、臨床的に注目されることが少ない単球増多ですが、何らかの疾患を示唆している場合もあります。
まずは、正常範囲ですが、200~950/μLが目安とされます。
単球≧1000/μLを単球増多と一般的に解釈されます。
単球増多の鑑別は下記の通りです。
・感染症
急性感染症からの回復期、慢性感染症(結核、梅毒)、感染性心内膜炎、マラリア、リケッチア、ウイルス関連血球貪食症候群、ロッキーマウンテン紅斑熱、発疹チフス、ブルセラ症、播種性カンジダ症
・血液疾患
リンパ腫、急性単球性白血病、多発性骨髄腫、好中球減少症(特に造血回復期)、悪性組織球症、慢性骨髄増殖性疾患(polycythemia vera; PV, chronic idiopathic myelofibrosis; CIMF)、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、慢性骨髄単球性白血病(chronic myelomonocytic leukemia; CMML)
・悪性腫瘍
・膠原病、自己免疫疾患
関節リウマチ、SLE(全身性エリテマトーデス)、皮膚筋炎/多発性筋炎、結節性動脈周囲炎、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎、限局性大腸炎
・その他
長期ステロイド使用、脾摘後、悪性腫瘍、アルコール性肝障害、重症うつ病、など
(参考文献)
日本内科学会雑誌 2007; 96: 1352-6