THE 総合内科 ~診断力、総合力、感染症~

総合内科医の知の共有 ~ 医療従事者にとっては、臨床に有用な情報を 一般の方に対しては、根拠のある健康情報を提供します

比較的徐脈とは

比較的徐脈とは 比較的徐脈の鑑別

リンパ節腫脹の鑑別

リンパ節腫脹の鑑別

ショック+徐脈の鑑別:語呂合わせ

ショック+徐脈の鑑別 一般的にはショックの場合は頻脈を呈する場合が多いのですが、ショック+徐脈を呈する病態もあり、ショックの速やかな鑑別のために、それらの病態がすぐに思い浮かぶことは重要です。 ショック+徐脈の鑑別に役立つ語呂合わせを二つ紹…

結節性紅斑 Erythema nodosum

・約過半数が特発性 ・結節性紅斑をみたら、原因を追究する ・15~30歳前後の女性に好発 ・約50%で関節痛を伴う 結節性紅斑の原因 感染症 溶血性連鎖球菌、結核、Yersinia、Campylobacter、梅毒、真菌、Whipple病 血液疾患 リンパ腫、白血病 悪性腫瘍 膠原病…

化膿性関節炎と偽痛風の鑑別

急性の単関節炎において頻度が高い化膿性関節炎と偽痛風について考察します。 頻度としては、化膿性関節炎が10-20%、偽痛風などの結晶性関節炎が約80%です。 これらの疾患は、治療法も予後も大きく異なりますが、臨床所見や、関節液検査などからは鑑別が難し…

化膿性関節炎 septic arthritis(native joint)

化膿性関節炎(native joint)について、原因・リスク、起炎菌を中心にまとめました。 化膿性関節炎 ・整形外科的なエマージェンシー ・滑膜炎として発症し、関節腔内に滲出液が貯留し、軟骨や骨の破壊へと至る ・滑膜は血行に富み基底膜がないことから、血…

膵癌のリスク (膵癌になりやすい人は?)

膵癌のリスク 膵癌は、今なお予後が最も悪い癌の一つです。 診断時点で約半数の方で遠隔転移があり、診断時に病変が局所にとどまり手術可能なのは20%未満とされています。また、全てのステージを合わせた5年生存率は約8~10%と低くなっています。 膵癌発症に…

腎性低尿酸血症とは ~低尿酸血症の鑑別~

時々、健康診断の二次検診で「尿酸が低い」と指摘されて外来を受診される患者さんがいらっしゃいます。自覚症状や重篤な基礎疾患がなく、尿酸を低下させる薬剤を内服していない場合、腎性低尿酸血症の可能性があります。 ◆Key Points◆ ・血清尿酸値が低い(…

sIL-2R(可溶性IL-2受容体)はリンパ腫の鑑別に有用か?

不明熱の鑑別において、リンパ腫は最も重要で、かつ臨床医を悩ませるものの一つです。 リンパ節腫大がないリンパ腫(血管内リンパ腫、肝脾原発リンパ腫)もあり、リンパ節腫大があっても、(全身状態、年齢などから)すぐに生検ができるわけではありません。…

横紋筋融解 rhabdomyolysis

横紋筋融解とは、骨格筋組織の壊死と、それに伴う筋細胞内成分の血液中への流出と定義され、下記に示すような様々な疾患・病態が原因となります。 横紋筋融解 rhabdomyolysisと似た言葉として、高CK血症 hyperCKemiaがあります。この二つの厳密な区別はあり…

単球増加の鑑別

単球(monocyte)増加の鑑別を考えます。 好中球、リンパ球、好酸球の増多・減少に比べ、臨床的に注目されることが少ない単球増多ですが、何らかの疾患を示唆している場合もあります。 まずは、正常範囲ですが、200~950/μLが目安とされます。 単球≧1000/μL…

浮腫を起こす疾患例(minorなもの)

前回、浮腫のメカニズムや、鑑別の手順について記載しました(浮腫の鑑別)。 今回は、浮腫を起こす疾患の具体例を取り上げたいと思います。 浮腫の代表的な原因である心不全、腎不全、肝硬変、深部静脈血栓症など以外の、比較的稀で、知っておくと鑑別に役…

浮腫の鑑別

◆Key Points◆ ・浮腫は全身性か、局所性か・(全身性であれば)低アルブミン血症(Alb<3.0g/dL)があるか・(低アルブミン血症がなければ)心不全かどうか 浮腫は、内科外来を受診する患者さんの訴えとして少なくありません。 利尿薬による対症療法を行うだ…

咽頭痛、「のどが痛い」

咽頭痛の原因は感冒、溶連菌感染による咽頭の炎症だけではありません。 killer sore throatといわれる咽後膿瘍、扁桃周囲膿瘍、下顎窩膿瘍の他、甲状腺炎、さらには胃食道逆流、後鼻漏なども咽頭痛の原因となります。 感染性の咽頭炎においても、感冒やA群溶…

診断力を上げる方法

診断力を上げる方法を考えます。 診断という行為は、目の前の患者さんが困っている症状の原因を明らかにすることです。 「すでに診断が付いている自分の専門分野以外の患者さんは診ない」という例外的な医師を除いては、どの診療科の医師にもある程度求めら…

診断学

なぜ、今、診断学が重要か? 当たり前ですが、適切な治療は適切な診断が前提となります。正しい診断が遅れれば遅れるほど、患者さん側の結果(治療経過、予後)に悪影響を与えます。 診断の見逃し、遅れ、誤りを「診断エラー」といいます。 診断エラーは患者…